View: 43

【速報】メモリ/SSD価格高騰はいつまで続く?今が売り時か専門家が分析

「PCパーツ最前線」へようこそ。アナリス…
市場動向・価格速報

「PCパーツ最前線」へようこそ。アナリストの周防 慧(すおう けい)です。

あなたは今、新しいCPUのレビューを読み、その圧倒的な性能に心を躍らせているかもしれません。あるいは、次世代グラボの噂に、アップグレードのタイミングを計っている頃でしょうか。しかし、ふと価格情報に目をやると、メモリやSSDの予想外の値上がりに頭を悩ませていませんか?「この高騰はいつまで続くのか」「今、PCを買い替えるべきか、それとも売却すべきか…」

その選択、感情や評判だけで決めていませんか?

ここは、データがすべてを語る場所です。本記事では、最新の市場データを徹底的に分析し、メモリ/SSD価格高騰の根本原因から今後の見通し、そしてあなたのPCライフを最大化するための「最適な一手」まで、客観的な事実に基づいて専門家の視点から解説します。スペック表の裏側にある、本当の価値を見抜く旅を始めましょう。

なぜ今、メモリ/SSDは高騰しているのか?データで読み解く市場の現状

まず、現在の市場で何が起きているのかを正確に把握することから始めましょう。家電量販店やオンラインストアで目にする価格の上昇は、単なる一時的な品薄や需要の増加ではありません。その背後には、半導体市場全体の構造的な変化が存在します。

主犯は「AI需要」の爆発的拡大

結論から言えば、現在の価格高騰の最大の要因は、世界的な「生成AIブーム」です。ChatGPTをはじめとする生成AIを動かすためには、膨大な計算処理能力を持つデータセンターが不可欠であり、そこでは超高性能なメモリ(特にHBM:高帯域幅メモリ)と、大容量のデータを高速に読み書きできるSSDが、かつてない規模で求められています。

半導体メーカー各社は、当然ながら利益率の高いAIサーバー向けの製品を最優先で製造・供給します。その結果、私たち一般消費者が利用するPC向けのメモリやSSDの生産が後回しにされ、供給量が絞られているのです。この状況は、調査会社IDCも「限られたシリコンの戦略的再分配」と指摘しており、市場の需給バランスが大きく崩れていることを示しています。詳しくはGIGAZINEの「世界的なメモリ不足により2026年のPC出荷台数は前年比で最大9%減少する可能性あり」でも詳しく報じられています。

メーカーの生産戦略シフトが招いた品薄スパイラル

このAI需要への傾倒は、単に供給量が減るだけでなく、価格設定そのものにも大きな影響を与えています。メーカーは、より高い価格でも売れるAIサーバー向け製品に生産ラインを集中させるため、一般PC向け製品の価格も引き上げざるを得ません。これが、品薄と価格上昇が同時に進む「品薄スパイラル」の正体です。

この問題は、特定のメーカーの戦略というよりも、半導体業界全体の構造的な課題となっています。そのため、短期的に解決することは難しく、価格高騰が長期化する大きな要因となっているのです。

【価格予測】この高騰はいつまで続く?専門家の分析

では、多くの読者が最も知りたいであろう「この価格高騰はいつまで続くのか」という問いに、データを基に答えていきましょう。残念ながら、短期的な価格下落を期待するのは難しい状況です。

2026年後半にかけて、さらに15~20%の上昇も

市場調査会社のレポートは、厳しい見通しを示しています。例えば、ITmedia PC USERの記事「2026年のPC市場は「茨の道」か メモリ枯渇と価格高騰が招く“二極化”のシナリオ」によると、主要なPCベンダーは2026年後半にPC価格が15~20%上昇する可能性があると警告しています。これは、メモリやSSDだけでなく、他の部品コストの上昇も織り込んだ数字ですが、価格上昇の波がさらに大きくなることを示唆しています。

さらに、TrendForceは2026年第1四半期だけで、DRAMの契約価格が前期比で55~60%、NANDフラッシュメモリ(SSDの主要部品)が33~38%も上昇するという衝撃的な予測を発表しています。これはチップ単体の価格ですが、最終製品であるメモリモジュールやSSDの価格は、品薄の影響も相まってこれ以上に跳ね上がる可能性があります。

価格安定は2028年以降か?長期化する理由

この高騰が長期化する理由は、需要の急増に対して供給が追いついていない、というシンプルな事実に尽きます。新しい半導体製造工場(ファブ)が建設され、本格的に稼働するには数年の歳月を要します。現在、世界中で工場の新設計画が進んでいますが、その生産能力が市場に反映され、需給バランスが改善されるのは、早くとも2027年後半から2028年以降になるとの見方が大勢です。

つまり、少なくともあと1~2年は、メモリとSSDの価格は高止まり、あるいは上昇し続ける可能性が高いと覚悟しておくべきでしょう。

(表)主要機関による価格・市場予測まとめ

以下に、今回のリサーチで参照した主要な調査機関の予測をまとめました。複数の情報源から、市場が同じ方向を向いていることがお分かりいただけるでしょう。

調査機関対象時期予測内容
TrendForceDRAM契約価格2026年Q1前期比55~60%上昇
TrendForceNAND契約価格2026年Q1前期比33~38%上昇
IDCPC平均販売価格2026年最大6~8%上昇
IDCPC出荷台数2026年最大9%減少

PC購入・売却の最適戦略は?データが示す「次の一手」

市場がこのような状況にある中で、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか。感情的な判断は禁物です。データに基づき、合理的な「次の一手」を考えましょう。

「今すぐ買うべき人」と「待つべき人」の判断基準

すべての人にとっての単一の正解はありません。あなたの状況に合わせて、最適な戦略は異なります。以下に判断基準をまとめました。

  • 今すぐ買うべき人
    • 業務や学業で高性能なPCが不可欠な人: 生産性の低下や機会損失のリスクを考えれば、価格がさらに上昇する前に購入するのが合理的です。
    • 最新のPCゲームを最高設定で楽しみたい人: 快適なゲーミング体験は、何物にも代えがたい価値があります。予算が許すのであれば、思い切って投資する価値はあります。
    • 現在使用しているPCに深刻な不具合がある人: 修理費用も高騰しているため、修理に多額の費用をかけるよりは、新品に買い替えた方が長期的なコストパフォーマンスは高くなる可能性があります。
  • 待つべき人
    • Web閲覧や動画視聴、書類作成が主な用途の人: 現在のPCで性能に不満がないのであれば、慌てて買い替える必要はありません。価格が落ち着く2028年頃まで待つのが賢明です。
    • 予算が限られている人: 無理をして高値で購入する必要はありません。後述する「中古PC」という選択肢も視野に入れましょう。
    • PCの性能を最大限に引き出す使い方をしていない人: オーバースペックなPCを購入しても、その性能を活かせなければ宝の持ち腐れです。自身の用途を冷静に見極めましょう。

【具体例】あなたのPC、今売るといくら?売却シミュレーション

「PCパーツは金融商品に近い」というのが私の持論です。価値が下落する前に、適切なタイミングで売却し、次の投資に回すことが重要です。例えば、3年前に15万円で購入したゲーミングPCを考えてみましょう。

  • CPU: Core i7-11700
  • GPU: GeForce RTX 3060
  • メモリ: 16GB

現在の中古市場では、この構成のPCは状態にもよりますが、おおよそ7万円~9万円程度で取引されています。もし、あと1年使い続けた場合、次世代パーツの登場や市場の変化により、売却価格は5万円以下に下落する可能性も十分に考えられます。この差額の2~4万円を、新しいPCの購入資金に充当できると考えれば、適切なタイミングでの売却がいかに重要かお分かりいただけるでしょう。

賢い自衛策としての「中古PC」という選択肢

新品価格の高騰が続く中、賢い自衛策として「高品質な中古PC」に目を向けるのは非常に合理的な判断です。特に、法人向けにリースされていたPCなどは、定期的なメンテナンスが施され、状態が良いものが多く出回っています。

新品にこだわらないのであれば、1~2世代前のハイエンドモデルを、現行のミドルレンジモデル以下の価格で手に入れることも可能です。ただし、個人売買など保証のない中古品には注意が必要です。後述する修理コストのリスクを避けるためにも、信頼できる販売店から、十分な保証が付いた製品を選ぶようにしてください。

忘れてはならない「修理コスト」の高騰リスク

見落としがちですが、部品価格の高騰は、PCが故障した際の「修理費用」にも直接的な影響を及ぼします。メモリやSSDの交換はもちろん、マザーボードなどの基幹部品が故障した場合、修理費用が新品の購入価格に迫る、あるいは上回るケースも珍しくなくなります。

修理内容以前の相場現在の予測
SSD交換修理2~3万円3~4万円以上
メモリ交換修理数千円~1万円1万円~2万円以上
マザーボード交換5~8万円7~10万円以上

「壊れたら修理すればいい」という考えは、もはや通用しません。突然の出費で慌てないためにも、日頃からのデータバックアップはもちろん、長期保証や保険への加入も、PCを守るための有効な投資と言えるでしょう。

まとめ

今回は、メモリ/SSDの価格高騰という、多くのPCユーザーが直面している問題について、データを基に分析し、今後の見通しと具体的な対策を解説しました。

最後に、重要なポイントをもう一度振り返りましょう。

  • 価格高騰の主因はAI需要: この構造的な問題は短期的に解決されず、価格は高止まりが続くと予測されます。
  • 価格安定は2028年以降: 少なくとも今後1~2年は、厳しい市場環境が続くと覚悟が必要です。
  • 行動はデータに基づいて合理的に: 「今すぐ買うべきか」「待つべきか」は、ご自身のPCの利用状況と予算を冷静に分析して判断しましょう。
  • 「売却」と「中古」も有効な選択肢: PCパーツを資産と捉え、価値を最大化する視点を持つこと、そしてコストを抑えるために高品質な中古PCを検討することが、この時代を乗り切る鍵となります。
  • 修理コストを忘れない: 故障は突然やってきます。高騰する修理費用に備え、保証やバックアップの重要性も再認識してください。

先の見えない状況に不安を感じるかもしれませんが、正確な情報とデータに基づけば、必ず最適な一手を見つけ出すことができます。この記事が、あなたの賢明なPCライフの一助となれば幸いです。

ngasvv